その④ 法的に正しいことと企業の見せ方、見られ方

法的に問題になるのかという観点より先に、顧問先が「顧客に与える印象」はどうか、という観点は案外意識されていなかったりします。

企業によっては、セミナーやイベントの際アンケートを実施することがあると思いますが、回収したアンケートの情報が紙ベースで残ってしまう、といったことに悩まされることがよくあります。

機密情報を含む廃棄物の処理に関しては、宅配会社が融解して処分という形でプロにお任せするか、ご自分の会社などで裁断して処分するという方法が一般的にとられるかと思います。

個人情報保護法では個人情報について適切な管理を求めています。それは常識的に考えて企業が「適切な」管理をすることを言っていますが、同時に重要になるのが、ユーザーの抱く印象です。個人情報保護法に抵触するか、という法的な観点と同時に、企業の取組みがユーザー目線でどのよに映るのか、心象という観点でも評価してみる必要があります。

お金をかけないにせよもう一歩踏み込んだ処理ができるかどうかで顧客の抱く感情は異なります。例えばアンケート用紙の名前と本文を切り離してて処分する、外から見えないような処理をする、といった工夫です。

顧問弁護士に実務的な個人情報の取扱いに関して質問した場合に、ユーザーに与える印象、といった点も踏まえた上での適切な処理方法を提案してもらえるというのは、大きいですね。藤井先生は、リーガルな見地とレピュテーションリスク(社会的な評価)の両方から企業を守ったということになります。合法か非合法か、だけでは判断しきれないことが実は沢山あるということですね。