利用規約の作成・チェックポイント④ユーザーの問題行動の責任をサービス運営者が負わない方法

ユーザーが許可なく、著作権侵害コンテンツを投稿した際、法的責任を負います

ユーザーがコンテンツを投稿できるウェブサービスは、とにかく沢山あります。

大手だと、掲示板では2ちゃんねる、日記ではFacebook、動画ではYoutubeなどですね。

ユーザのほとんどは、自分で作った(自分に著作権のある)コンテンツを投稿するのですが、他人が作った(自分に著作権のない)コンテンツを、許可なく投稿するケースも、目につきます。

ウェブサービスにコンテンツを投稿する行為は、著作物の利用行為にあたり、著作権者の許可なしには、行うことはできません。

そのため、許可なく他人のコンテンツを投稿したユーザーは、著作者の著作権を侵害しているため、法的責任を負うことになります。

著作権侵害の法的責任の罰則例

具体的には、民事上の損害賠償責任を負うことになりますし、刑事罰として10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金(両方の場合もあり)を科せられることになります。(ノーモア映画泥棒のCMでも、そんなことを言ってましたね)

みなさんも、ユーザーがこのような責任を負うことは、当然だと思うでしょう。

それでは、ウェブサービスの運営者も、場合によっては責任を負うということを、知っていましたか。

運営者が負う責任とは

ウェブサービスの運営者の立場としては、利用規約の中で、「権利侵害コンテンツの投稿は禁止する」と規定しており、サービス上では禁止しているので、それに違反したユーザーの行為について、なぜ責任を負わないといけないのか?と思われるかもしれません。

しかし、運営者の責任が争われた裁判で、裁判所は、以下の様な判断を示して、運営者に一定の責任を負わせています。

(東京高等裁判所平成17年3月3日判決:2ちゃんねる小学館事件:要約)
①ウェブ上で誰でも匿名で書込・閲覧ができる掲示板を運営している者は、著作権侵害の書込が行われないよう、注意事項を適切に案内するなど、事前の対策を講じることが必要である
②それだけでなく、著作権侵害の書込があった場合は、速やかに是正すべき義務がある
③少なくとも、著作権者等から、著作権侵害の指摘を受けた場合、可能ならば、書き込んだ者に対して照会をすべき
④さらに、著作権侵害が明白なときは、直ちに書込を削除するなど、対処すべき

そして、この裁判所の判断を前提とすると、単に利用規約上で権利侵害コンテンツの投稿を禁止しているだけで、実際には権利侵害の投稿を放置しているような場合は、上の②~④に対応できていないことになり、

したがって運営者は、責任を負うことになってしまいます。

運営者が責任を負うという、裁判所の考えは妥当

この点、著作権侵害の「場」となっている投稿サイトが存在することによって、著作権侵害が拡大している面も、否定できません。

また、著作権者の立場からすれば、著作権侵害のコンテンツ投稿を行っている者を探し出すのは大変なので、著作権侵害に対処するためにも、(存在が明らかな)運営者に責任を負わせる必要もあります。

このように、裁判所の考えは、妥当なものと言えます。

ただ、コンテンツ投稿サービスを運営している皆さんは、自社がこのような重い責任を負っているということを十分に理解する必要があります。

そして、ユーザーがこのような問題行動を起こした場合は、専門家に相談の上、利用規約を使って適切に対処するようにしましょう。