【働き方改革で副業を解禁しよう! その5】 弁護士藤井のメールマガジン VOL.144 2018/6/20

皆さん、こんにちは。
「IT弁護士.COM」の弁護士藤井です。

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【働き方改革で副業を解禁しよう! その5】
「弁護士藤井のメールマガジン」 VOL.144 2018/6/20
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■ 【働き方改革で副業を解禁しよう! その5】
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それでは、前回の振り返りです。

・「働き方改革」ブームの中で特に注目を集めているのが「副業の解禁、推進」

・これまで多くの企業では社員の副業が認められていなかった

・政府が2017年3月28日に決定した「働き方改革実行計画」の中で副業の推進を掲げており、これを受けて厚生労働省は「柔軟な働き方に関する検討会」を設置して副業推進の検討を進め、2018年1月に「副業・兼業の推進に関するガイドライン」を公表するなど、政府も副業を後押ししている

・ほとんどの企業の就業規則では、副業が禁止されているが、副業を禁止する法律は実は存在しない

・厚生労働省作成の「モデル就業規則」に副業禁止規定があったため、それがスタンダードになってしまった

・しかし、2018年1月にモデル就業規則は改定された

・その内容は主に3つ。1.副業は自由である。2.副業を認める場合、事前に届出を行う。3.一定の場合には、社員の副業を制限することができる

・とはいえ、モデル就業規則のとおりに就業規則を変更しても、会社側、社員側、双方にとって法的リスクが生じる

・1つ目のリスクは労働時間の合算ルール。労働者が複数の会社で働く場合でも、労働時間は合算して計算

・つまり、ある人が複数の会社で累計で1日8時間(といった所定労働時間)を超えて働けば、その超えた時点で働いていた会社で残業代(時間外割増手当)が発生することになる

労働時間の合算ルールは副業が増えている今の時代にそぐわないのではないかという議論もあり、見直しが検討中

それでは、今回は副業解禁の2つ目の法的リスクについて解説したいと思います。

それは、労災保険です。

まず、労災保険という制度ですが、会社は、(それが労働者にとって本業だろうと副業だろうと)労働者を雇用していれば、原則として労災保険に加入する義務があり、労働者が勤務中や通勤中に事故で怪我したり病気になった場合に、保険金が給付される制度です。

ただ、労災保険の給付額は、労災が発生した就業先の賃金をベースに算定されます。

つまり、副業をしている場合に、本業のA社の月給が35万円、副業のB社の月給が5万円だった場合で、B社で勤務中に労災が発生して休業することになった場合、B社の月給5万円をベースに80%を乗じた金額(4万円)が給付されることになります。A社とB社を合算した金額(40万円)ではありませんし、月給が高い方のA社でもありません。

また、本業・副業の勤務場所間の移動中に起こった労災は、移動の終点である勤務場所で働くために行われる通勤だと考えられるので、移動の終点である勤務場所の労災保険で処理されます。

つまり、上の例でいうと、A社での日中の勤務が終わったので、夕方以降にB社で働くために移動中に事故に遭って休業することになった場合、B社の月給(5万円)をベースに給付額が算定されることになってしまいます(A社での勤務が終わった後にそのまま帰宅していれば、帰宅中の事故はA社の労災保険で処理されたのですが)。

「そんな労災なんて、そうそう起きないでしょ。」と思うかもしれませんが、つい先日(2018年6月18日)、大阪府北部で震度6弱の大きな地震があり、複数の死傷者が発生しましたよね。

それに、副業をすれば、それだけトータルの労働時間が長くなり、過重労働になりえます。

結果として、メンタルヘルスを損ない、うつ病などの精神障害を発症してしまうこともあるでしょう。特に、IT業界ではメンタルヘルスを損なう人が多いように思います。

ですが、その場合に、本業と副業のどちらの業務が原因で労災が発生したか(精神障害が発症したか)、判断するのも困難です。

どうでしょう。副業の解禁、推進といっても、会社側、社員側、それぞれ厄介な問題があるな、と躊躇してしまったでしょうか。

ですが、これらのリスクを(完全ではないにせよ)回避する方法があるのです。

その方法は、次回のメルマガで解説します!

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