【損害賠償の責任を制限する条項は有効なの? その6】弁護士藤井のメールマガジン VOL.115 2016/11/21

皆さん、こんにちは。
「IT弁護士.com」の弁護士藤井です。

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【損害賠償の責任を制限する条項は有効なの? その6】
「弁護士藤井のメールマガジン」 VOL.115 2016/11/21
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■ 【損害賠償の責任を制限する条項は有効なの? その6】
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それでは、前回のメルマガのおさらいです。

・企業が提供するサービス、受託する業務、販売するソフトに関する契約書や利用規約には、損害賠償の責任を制限する条項が設けられているのが普通だし、ビジネス上のリスク管理として重要

・しかし、法律の不正確な理解のために、法的に無効な条項が設けられている場合がある

・法律上、契約の当事者は「債務」を負い、それを履行しないと「債務不履行責任」を負い、その責任内容として、損害賠償義務がある

・1.債務者の責めに帰すべき事由によって(帰責性) 、2.期限が遅れた(履行遅滞)/不十分な履行だった(不完全履行)/履行ができなくなった(履行不能)、 3.その結果として損害が発生した(因果関係)場合に、債務不履行責任として損害賠償義務を負う

・帰責性は「故意又は過失」がある場合に認定される(不可抗力の場合は、そもそも帰責性がないので責任を負わない)

・「故意」とは、「自分の行為が一定の結果を生じさせることについて、予見していたにも拘らず、行為を実行した」という意味

・「過失」とは、「自分の行為が一定の結果を生じさせることについて、予見が可能であったにも拘らず、注意を怠って予見しなかった。」自分の行為から一定の結果が生じることを回避可能であったにもかかわらず、回避するための行動を怠った」という意味

・損害賠償義務は、債務者(ベンダー、クラウド事業者、制作会社など)にとって重大なリスクであり(委託料や利用料を上回るような損害賠償額になることも)、損害賠償義務を制限する規定は不可欠

・逆に債権者(発注者、ユーザー)の場合は、そのような規定は回避すべき

・契約を結ぶ際は、自社がどちらの立場かきちんと把握して、責任制限規定の有無を検討すべき

では、今回のメルマガでは、取引契約の実務では、具体的にどのような責任制限規定があり、そしてそれらは法的に有効なのかについて、解説をしましょう。

まずよくあるのが、次のような損害賠償の発生要件を制限する規定です。

「甲又は乙は、本契約に定める義務に違反した場合、故意又は重過失のある場合に限り、相手方に生じた損害を賠償する責任を負う。」

⇒故意・重過失がある場合にのみ損害を賠償する

以前のメルマガで説明したとおり、故意というのは、「自分の行為が一定の結果を生じさせることを予見していた」という意味です。

(わざとという意味ではありません。)

たとえば、テスト段階でエラーが生じていたのに、それを隠して納品して、検査では気付かれずに合格するも、本稼働後にエラーが発生した場合は、故意があります。

では、重過失というのはどういう意味かというと、、故意と同視できるような重大な過失です。

今の例で言うと、テストをサボって、一切テストを実施していないにも拘らず、テストを実施した、問題なかったと報告した場合は、エラーが出ていたことは予見していないので、故意はありませんが、嘘の報告をしているので、故意と同視できるような重大な過失といえるでしょう。

ちなみに、過失の内訳として、重過失と、重過失に至らない軽過失の、2つしかありません。

(この2つを合わせて過失といいます。「中過失」という言葉はない点に注意してください。)

さて、先ほど挙げた例からもわかるとおり、普通のきちんとした企業がビジネスをやる中で、故意・重過失が生じることは、通常ありません。

つまり、故意・重過失がある場合にのみ損害賠償責任を負うという規定は、事実上、「ほぼ損害賠償責任を負わない」に等しいのです。

そして、裁判例上、BtoBの取引に関しては、そのような規定も有効であると判断されています(ジェイコム株誤発注事件の東京高裁判決等)。

というわけで、過失の前に「重」の一文字を加えるだけで、損害賠償の発生要件が大きく制限されることになることは、理解できましたでしょうか。

次回のメルマガでは、損害賠償の項目を制限する規定について、解説したいと思います。

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コーヒーが一杯13ドル以上の同店は、いったい「何を」売っているのでしょうか。

レポートをサイトにアップしたので、ぜひご覧ください!

なぜシアトルの人は1杯13ドル以上のコーヒーをスタバで飲むのか)
http://itbengoshi.com/starbucks-reserve/

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