【損害賠償の責任を制限する条項は有効なの? その4】弁護士藤井のメールマガジン VOL.113 2016/10/24

皆さん、こんにちは。

「IT弁護士.com」の弁護士藤井です。

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【損害賠償の責任を制限する条項は有効なの? その4】
「弁護士藤井のメールマガジン」 VOL.113 2016/10/24
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■ 【損害賠償の責任を制限する条項は有効なの? その4】
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それでは、前回のメルマガのおさらいです。

・企業が提供するサービス、受託する業務、販売するソフトに関する契約書や利用規約には、損害賠償の責任を制限する条項が設けられているのが普通

・例えば、運営しているクラウドサービスに障害が発生して、全ユーザーから損害賠償を請求された場合、あるいは、開発したシステムに障害が発生して、顧客から損害賠償を請求されたら、基幹業務等の重要なシステムだった場合、賠償すべき損害が莫大なものになってしまう

・損害賠償の責任を制限する条項はビジネス上のリスク管理として重要

・しかし、法律の不正確な理解のために、法的に無効な条項が設けられている場合がある

・法律上、契約の当事者は「債務」を負い、それを履行しないと「債務不履行責任」を負う

・債務不履行責任の一内容として、損害賠償義務がある

・1.債務者の責めに帰すべき事由によって(帰責性) 、2.期限が遅れた(履行遅滞)/不十分な履行だった(不完全履行)/履行ができなくなった(履行不能)、 3.その結果として損害が発生した(因果関係)場合に、債務不履行責任として損害賠償義務を負う

・帰責性は「故意又は過失」がある場合に認定される

・「故意」とは、「自分の行為が一定の結果を生じさせることについて、予見していたにも拘らず、行為を実行した」という意味

・「過失」とは、「自分の行為が一定の結果を生じさせることについて、予見が可能であったにも拘らず、注意を怠って予見しなかった。」「自分の行為から一定の結果が生じることを回避可能であったにもかかわらず、回避するための行動を怠った」という意味

・不可抗力の場合は、そもそも帰責性がないので責任を負わない

では、今回のメルマガでは、債務不履行責任として損害賠償義務を負う場合に、どの程度の範囲までの損害を賠償しなければならないかについて、解説をします。

まず、損害賠償について、法律にはこう書いてあります。

民法第416条(損害賠償の範囲)
1 債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。
2 特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見し、又は予見することができたときは、債権者は、その賠償を請求することができる。

・・・うーん、回りくどくて、何を言っているのかよくわからない。

この条文の構造は、一般的にはこのようにシンプルに整理されています。

通常損害(通常生じる損害)
→賠償義務あり

特別損害(特別の事情によって生じる損害)
→(原則)賠償義務なし
(例外)その事情を予見してた又は予見可能であった場合は賠償義務あり

例えば、ECサイトの開発案件で、制作会社の帰責事由による納品の遅れによって、サイトのオープンが予定よりも遅れた場合を考えてみて下さい。

オープンが遅れた間に予想された利益は、通常生じる損害なので、制作会社は賠償義務を負います。

一方で、その商品が、たまたまニュースで取り上げられたとして、その時点でサイトが予定通りオープンしていたら、注文が全国から殺到していた場合はどうでしょう。

そこで予想された利益は、特別の事情によって生じる損害なので、制作会社は原則として賠償義務を負いません。

ただし、その日にニュースで取り上げられることが前から決まっていて、そこに間に合うようにサイトのオープンが予定されていた場合は、制作会社はその事情を予見していたといえるので、賠償義務を負うわけですね。

というわけでまとめると、帰責事由があったかどうかで、損害賠償責任をそもそも負うかが変わってくきますし、帰責事由があったとして、今度はその損害が通常損害か特別損害かで、賠償すべき損害の範囲は変わってくるのですね。

では、次回のメルマガでは、この損害賠償義務が、債務者(ベンダー、クラウド事業者、制作会社など)にとって、どれだけ重大なリスクなのかについて、解説をします!

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