弁護士藤井のメールマガジン VOL.81 2015/6/1【フリーランスに支払う報酬、源泉徴収してますか? その5】

皆さん、こんにちは。

「IT弁護士.com」の弁護士藤井です。
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【フリーランスに支払う報酬、源泉徴収してますか? その5】
■「弁護士藤井のメールマガジン」 VOL.81  2015/6/1
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■ 【フリーランスに支払う報酬、源泉徴収してますか? その5】
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それでは、前回のおさらいです。

・源泉徴収とは、給与・報酬等を支払う者が、給与・報酬等を支払う際に、そこから(給与・報酬等を受け取る者が納税義務を負う)所得税等を差し引いておき、別途まとめて(本人の代わりに)納付する制度

・源泉徴収は、主に、個人に対しての支払が対象

・フリーランスに対して支払う報酬は、所得税法第204条1項1号〜8号に定められた8種類の業務に関する報酬である場合に、源泉徴収の対象になる

・IT業界で発生する代表的な業務、要件定義・設計・プログラミング・ディレクション・コーディング・テスト等は、この8種類の業務に該当しない=源泉徴収の対象にならない

・対象になるとしたら、フリーライターに支払う原稿の報酬、フリーカメラマンに支払う写真の報酬、フリーデザイナーに支払うデザインの報酬、フリーエンジニアが開発した(その人が著作権を有する)プログラムの使用料くらい

・納付しないと、不納付加算税(納付税額の10%)や延滞税などを課せられる可能性がある

発注先のフリーランスが源泉徴収分の金額を控除していない請求書を送ってきて、こちらもそれに気づかずそのまま支払ってしまった場合でも、源泉徴収分の税額は納付しないといけない

・発注先のフリーランスに対して、源泉徴収分の税額を交付するよう求めるか、次回の取引の際に前回の源泉徴収分の税額を差し引く(相殺処理をする)必要がある

さて、これまでフリーランス相手に発注した場合の報酬の源泉徴収について見てきましたが、クラウドソーシングを利用してフリーランス相手に発注する場合は、特に注意が必要になります。

クラウドソーシングでは、発注者と受注者が一期一会の関係になることが多いため、発注者が報酬を支払わないリスクがあり、その対策として、「エスクロー」の仕組みが採用されていることが多いです。

エスクローとは、発注者が、中立的な立場に立つエスクローサービサー(クラウドソーシングの場合は、クラウドソーシングサービスの運営会社)に対し、まず先に報酬を支払い、それを受注者が確認できた時点で、発注者に対し、納入を行い、それをサービサーが確認できた時点で、受注者に対し、発注者から支払われた報酬を引き渡す、という仕組みです。

発注者としては、納入が行われなければ、サービサーから報酬を返還してもらえますし、受注者としても、納入を行いさえすれば、サービサーから報酬を引き渡してもらえるので、双方安心して、契約を遂行することができます。

ちなみに、クラウドソーシングサービス大手のランサーズも、このエスクローを採用しています。

では、クラウドソーシングを利用してフリーランス相手に発注する場合、このエスクローとの関係で、誰が源泉徴収を行うことになるのでしょうか。

フリーランスに報酬を引き渡すのは、(エスクローにより)クラウドソーシンサービスの運営会社なので、彼らが源泉徴収を行ってくれるのでしょうか。

結論からいえば、違います。

源泉徴収を行うのは、あくまでも発注者です。

というのは、基本的に運営会社は、発注者と受注者が直接契約をする場(マッチングの機会)を提供するだけ、というスタンスです。

つまり、受注者に対して(法的な意味で)報酬を支払う立場にあるのは、あくまでも発注者です。

運営会社は、エスクローサービスとして、発注者が(法的な意味で)受注者に支払う報酬を運営会社に支払ってもらい、それを受注者に引き渡しているだけなのです。

例えば、コンビニの収納代行を利用して電気代が支払われた場合に、電力会社に電気代を引き渡すのはコンビニですが、電気代を支払っているのは、あくまでも利用者個人というわけです。

そうなると、クラウドソーシングを利用してフリーランス相手に発注する場合は毎回発注者が源泉徴収を行わなければいけないことになるのでしょうか?

実は、必ずしもそうではないのです。

その理由は、次回のメルマガで解説します!


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■ 【コーヒーの野望】
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数年前に妻(当時は彼女)からデロンギのコーヒーメーカをプレゼントしてもらってから、徐々にコーヒーにこだわるようになりました。

味についてはよく分かりませんが、とりあえず自宅で淹れることにこだわっています。

とはいっても、これまではコーヒー豆をお店で挽いてもらって、それを買ってきてデロンギで淹れるだけでした。

ところが、事務所の開設お祝いで、豆を保存する本格的な容器と、豆を挽く機械(ミル)をもらったので、挽きたてのコーヒーを淹れられるようになりました。

次は、豆を焙煎する機械をゲットして、最終的には、豆の農園に投資でもしようかなと思います。


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