クラウドサービスで障害発生! そのときベンダーが負う責任は!? その5

皆さん、こんにちは。

「IT弁護士.com」の弁護士藤井です。
http://itbengoshi.com


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【クラウドサービスで障害発生! そのときベンダーが負う責任は!? その5】
■「弁護士藤井のメールマガジン」 VOL.75  2015/2/16
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■ 【出版のお知らせ】
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私が執筆した「ウェブサービス利用規約10のポイント:会社を守りユーザーの信頼を高める」の電子書籍(Kindle版)が、日本IT特許組合より出版されした。

まさにこれからウェブサービスを手がけようとしているIT企業の皆さんに、「ウェブサービスには利用規約が必要なのだ。」という気づきを得てもらうために、特に知っておいて欲しい「10個のポイント」について、大手企業の利用規約の解説や、業界を騒がせたニュースの紹介も交えながら、分かりやすい言葉で解説しています。

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利用規約づくりで悩んでいる方は、ぜひご覧ください!

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■ 【セミナー登壇のお知らせ】
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私が連載記事を書いている「東京IT新聞」が、最新のIT業界事情を学べる場として「東京IT勉強会」を立ち上げることになりました。

第1回目は、3月11日(水)開催で、テーマは「あなたの会社も狙われている!サイバー攻撃の実態を初歩から学ぶ~~目には見えない脅威にどう立ち向かうか」です。

第1講座は、シスコシステムズのセキュリティコンサルタントの方が登壇され、第2講座「サイバー攻撃と情報漏洩、法を活用して会社を守りましょう」は、私が登壇します。

http://itbengoshi.com/?p=4315

セキュリティ対策に興味のある方は、ぜひご参加ください!

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■ 【クラウドサービスで障害発生! そのときベンダーが負う責任は!? その5】
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クラウドサービスで障害が発生した場合に、ベンダーがどんな責任を負うのかについて、今回のメルマガシリーズでは、数回にわたって解説をしていきます。

前回のメルマガでは、SLA(サービスレベルアグリーメント)をどう作ればいいのか、何を規定すればいいのかについて、解説をしました。

大手クラウドベンダーのSLAを参考にしようにも、各社内容がまるで違うこと、そして、経産省のガイドラインを見れば、何を規定すればいいのかの大体のイメージは掴めることは、わかったかと思います。

では、今回のメルマガでは、SLAで規定した色々な項目についての保証に違反(保証数値への未達成)した場合、ベンダーがどんな責任を負うのかについて、解説をしましょう。

皆さんの感覚からすれば、「保証に違反したなら、契約違反だから、支払った利用料金の返金や、損害賠償の請求、契約の解除ができるのでは?」と思うかもしれません。

ですが、実はそうではないんですね。

これは結局のところ、SLAになんと規定されているか次第なのです。

例えば、前回紹介した、Google AppsのSLAを見てみましょう。

Google Apps SLA(サービス レベル契約) https://www.google.com/apps/intl/ja/terms/sla.html

このSLAでは、サービスの各月の稼働率が一定の数値で保証されていますが、

『Google が Google Apps SLA を満たしておらず、かつお客様が本 Google Apps SLA に基づく義務を満たしている場合、お客様は下記のサービス クレジットを受けることができます。』

『本 Google Apps SLA は、Google の Google Apps SLA のいかなる不履行に対するお客様の唯一かつ排他的な救済手段となります。』

上記のとおり、その保証が下回った場合でも、Googleの責任(ユーザーの救済手段)は、「サービスクレジット」(=サービス期間終了後に無償で追加されるサービスの日数、または、毎月後払いで請求するユーザーに対するサービスの日数分に相当する金銭)の発行だけです。

(利用料金の返金や損害賠償は、請求できないということです)

しかも、サービスクレジットの発行を受けるためには、

『サービス クレジットの要求義務: 上記のサービス クレジットを受けるには、お客様がサービス クレジットの対象となった時点から 30 日以内に、お客様が Google に通知する必要があります。この要件を遵守しなかった場合、サービス クレジットを受ける権利は失効します。』

ユーザー側からGoogleに対して、30日以内に通知をする必要があります。

(それをしないと、サービスクレジットを受ける権利は無くなるということです)

「これはけしからん!責任逃れだ!」と思うかもしれませんが、サービスクレジットの発行がきちんと約束されているだけでも良心的です。

というのは、世の中のSLAには、

『本SLAで規定された数値は、あくまでも当社の努力目標であり、この数値を下回ったとしても、本サービス利用契約における当社の債務不履行とは扱われず、利用料金の返金や損害賠償の支払などの責任は生じません。』

というようなことが書かれているものも、多いのですね…。

このように、SLAで一番重要なのは、「保証に違反(保証数値への未達成)した場合、ベンダーがどんな責任を負うと規定されているのか」という点です。

ユーザー側の立場に立つときは、ここは必ずチェックする必要があります。

逆に、ベンダー側の立場に立つときは、自社の体力・体制に見合った責任内容に留めておく必要があります。

では、ユーザーとして、ベンダーが定めたSLAに不満がある場合に、どう対応すればいいのでしょうか。

逆に、ベンダーとして、ユーザーからSLAの内容に突っ込まれた場合、どう対応すればいいのでしょうか。

その対応方法は…次回のメルマガで解説します!


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■ 【なぜ焼肉屋の高級肉にはさしが入っているのか】
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最近、年のせいか、焼肉を食べると胃がどんよりともたれて、翌朝お腹を壊すようになりました。

さしの入った脂分の多い肉を食べた時にその傾向が顕著でして、序盤で「幻の部位3種盛り」なんてものを頼んでしまい、一気にパフォーマンスが下がって、終盤が泥試合になったこともあります。

私がつねづね疑問に思っているのは、さしの入った肉=ハイエンドという固定観念なのですね。

正直なところ、上カルビよりも、並カルビのほうが、体に負担が少ないのでありがたいのですし、さらに言えば、ロースやヒレのほうが嬉しいです。

そのうちに、焼肉屋に行ってもタン塩しか食べれない体になるかもしれません。


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