IT企業の契約書には印紙が不要?

■「弁護士藤井のメールマガジン」  VOL.53  2014/2/17  

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■ 【IT企業の契約書には印紙が不要?】
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私が顧問先からよく受ける相談の中に、「この契約書は印紙が必要ですか?いくらの印紙が必要ですか?」というものがあります。

印紙は、印紙「税」法の問題なので、本来は、顧問税理士さんに相談するテーマなのですね。
ですが、弁護士に限らず、士業の方々は、なかなか気軽に相談できる相手ではないので(顧問なのに!)、私の所に相談が来るわけです。

契約書に印紙を貼らないといけない、と多くの企業の皆さんが思っていることですが、それは必ずしも正しくありません。
そもそも、「契約書」というタイトルで、契約書の体裁になった文書ではなく、注文書や申込書、それどころか、依頼内容を記載したメールを印刷した紙であっても、ある「目的」のために作成(印刷)されたのであれば、印紙税法上の、印紙を貼るべき契約書に該当します。 それは、「契約の成立等を証明すること」を目的とした書面です。

「なんてことだ!これまで注文書なんかには、印紙を貼っていなかった!」と慌てるのは、まだ早いです。 法律上、単に「申込」が行われただけでは、契約が成立したとはいえません。 あくまでも、「申込」に対する「承諾」があって、初めて契約が成立したといえます。

そして、上にも書いたとおり、「契約の成立等を証明すること」を目的として作成した書面が、印紙を貼るべき契約書です。 となると、注文書や申込書は、基本的には、「申込の事実を証明すること」を目的として作成されたに過ぎず、「契約の成立等を証明すること」までは、目的としていません。

というわけで、印紙税法上の契約書には該当しないのですね。 なんだか、分かったような分からないような説明かと思いますが、下記の国税庁のサイトにも、この点は解説されているので、参照してみてください(私の説明よりも、さらに分かりにくいですが…)。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/inshi/02/04.htm

では、「契約の成立等を証明すること」を目的として作成されたものは、全て印紙を貼らないといけないのでしょうか? いえ、そんなことはありません。

あくまでも、印紙税法で定められた、一定の種類の契約書が、印紙を貼らないといけない「課税文書」に該当します。 そして、実は、IT企業が取り交わす多くの契約書は、この「課税文書」に該当しないのです!

では、どんな種類の契約書が課税文書に該当して、どんな種類の契約書が該当しないのでしょうか?
その続きは、次回解説します!

印紙について、詳しくはこちら