BYODを導入しよう! その2

■「弁護士藤井のメールマガジン」  VOL.57  2014/5/12  

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■ 【BYODを導入しよう! その2】
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それでは、前回の続きです。
・BYOD(従業員の私用端末の業務利用)の導入が増えている
・導入には、様々メリットがある一方で、デメリットもある
・導入に二の足を踏んでいる会社も多いが、禁止するのであれば、就業規則などの社内規程に定める必要がある
・しかし、禁止しても、会社の把握していないところで、従業員は、事実上BYODを実行している
・むしろ、セキュリティ対策などをしっかり行った上で、BYODを正式に導入した方が安全

では、今回のメルマガでは、BYODを導入するにあたって、会社が気をつけなければいけないポイントを解説します。
まず、最初に取り組む必要があるのは、就業規則の改訂です。
そもそも、就業規則は、会社と従業員の雇用契約の内容を規定したものです。
そのため、BYODの導入にあたって、従業員が守らなければいけないことに関しては、就業規則に新たに規定(就業規則の改定)をする必要があります。

一般的な就業規則では、(日常携行品以外の)私物の事業場内への持ち込みや、その業務利用が禁止されています。
そこで、その規定を以下のように改訂します。
・日常携行品以外の私物の持ち込みを禁止→日常携行品及び「会社の許可を得た私用端末」以外の持ち込みの禁止
・私物の業務利用を禁止→「会社の許可を得た私用端末以外の」私物の業務利用の禁止

また、最近の就業規則には、業務上利用される端末に対して会社がモニタリング(通信履歴の監視や、そのためのソフトウェアを端末にインストールすることなど)を行うことが規定されています。 (もしまだであれば、早急に規定すべきです) ですが、これはあくまでも対象は会社貸与端末になっているので、その規定を以下のように改訂します。
・業務上利用される会社貸与端末に対してモニタリングを行う→業務上利用される会社貸与端末及び「会社の許可を得た私用端末」へのモニタリングを行う ただ、私用端末へのモニタリングは、従業員の個人情報保護、プライバシーの問題があります。

そこで、あくまでも、業務に関係する通信履歴などのモニタリングに限定しないといけません。 それから、BYODで利用される端末の通信費や、業務用アプリケーション・セキュリティソフトウェアなどのインストールに要する費用は、会社が負担する場合が多いでしょう。 そして、会社が負担するのであれば、就業規則の経費に関する規程に追加することになります。

一方、従業員に負担させることは、そのこと自体は禁止されませんが、やはり就業規則に規定する必要があります。 というのは、労働基準法上、従業員に「作業用品その他の負担」をさせる場合は、これに関する事項を、就業規則に規定する義務があるからです。

そこで、従業員に負担させる場合は、以下の規定を新たに設けることになります。
・業務上利用される会社の許可を得た私用端末の、業務利用に関する通信料及び会社指定の各種アプリケーション・セキュリティソフトウエアの利用に関する料金は、従業員の負担とする

以上、BYOD導入にあたって必要になる就業規則の改定箇所の内、代表的なものを説明しましたが、これはまだ第一段階です。

次回は、BYODの具体的な承認手続き、利用手順に関して、どこに、どのようなことを規定すればいいのか、解説をします!