【請求書にハンコは必要なの? その4】弁護士藤井のメールマガジン VOL.138 2018/1/30

皆さん、こんにちは。
「IT弁護士.COM」の弁護士藤井です。

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【請求書にハンコは必要なの? その4】
弁護士藤井のメールマガジン」 VOL.138 2018/1/30
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■ 【請求書にハンコは必要なの? その4】
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それでは、前回までのメルマガのおさらいです。

・判子社会の日本では、きちんとした文書には署名(自筆でのサイン)と押印(判子を押す)がセットになっていることが普通

・判子はきちんと管理されている(はずである)ので、他人は簡単には使えず、本人確認になる

・プリントで押印を偽造しても、押し跡がないのでばれる

・3Dプリンターなどで判子を複製されても、実印なら対抗できる

・実印とは、公的に登録・届出した判子のことで、その判子がその個人・会社のものだということを、「印鑑証明書」で証明してくれる

・印鑑証明書の複製や無権限での取得は極めて難しい

さて、今回のメルマガでは、引き続き請求書の判子の件は一旦脇に置き、なぜそもそも書面に判子を押さないといけないのかについて、深掘りをしていきたいと思います。

いまいちその必要性が分からない判子ですが、実は法律上、判子がなければ効力が認められない書面もありますし、判子を義務付けられている書面もあります。

例えば、自分の財産をどう相続させるかについて決めるときに、一番ポピュラーなやり方は「自筆証書遺言」を作ることですが、この自筆証書遺言は、押印がないと無効なのですね。

(民法第968条第1項)
「自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに【印】を押さなければならない。」

あとは、身近なところだと、一定の種類の契約書や、5万円以上の領収書には、印紙を貼る義務があるのですが、印紙の再使用防止のため、貼った印紙の上から消印を押す(又は署名する)義務があります。

(印紙税法施行令第5条)
「課税文書の作成者は、法第八条第二項の規定により印紙を消す場合には、自己又は(中略)の【印章】又は署名で消さなければならない。」

他にも、特に裁判で問題になるのが「二段の推定」という法理論でして、ややこしい話なので解説はしませんが、結論だけ言えば、「書面に押された判子が本人・会社の判子であれば、その書面はその本人・会社によって作成されたものと推定される」ことになります。

そうなると、相手の方が「その文書は偽造だ」と証明しないといけなくなります。

(民事訴訟法第228条第4項)
「私文書は、本人又はその代理人の署名又は【押印】があるときは、真正に成立したものと推定する。」

他にも、一定の種類の文書を偽造すると、文書偽造罪という犯罪になります、判子のない文書と、判子のある文書では、罪の重さが全然違ってきます。

このように、日本の法律では、判子がかなり重要なものとして位置づけられているのですね。

というわけで、ここまで話を聞いた皆さんは、「だったら請求書には判子が必要なのか」と思うかもしれません。

ですが、ここまで判子の重要性を説明してきてなんですが、やっぱり請求書に判子は必要ないのです。

というわけで、いよいよ今回のメルマガのタイトルにもなっている、請求書に判子が必要ない理由を、次回のメルマガで解説します!

 

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